福岡県警が、工藤会の壊滅を目指して着手した2014年9月の「頂上作戦」から5年余り。この時に逮捕された最高幹部2被告に対する市民襲撃事件の公判が、23日に始まった。指揮命令や関与について、検察側、弁護側双方の主張は真っ向から対立した。
検察側は冒頭陳述で、工藤会トップで総裁の野村悟被告(72)、ナンバー2で会長の田上(たのうえ)不美夫被告(63)が共謀し、4事件全てで実行役につながる配下組員に指示したと主張。その動機や組関係者らの証言など状況証拠について説明していった。
元漁協組合長射殺事件は、港湾事業に関する利権介入を拒まれたことが理由だと主張した。野村被告が直接または田上被告を介して指示したと指摘した上で、事件当夜、実行役の組員が別の組員に対し「オヤジの用事を済まして戻ってくる」と言い、事件後の会議で田上被告が「事件については一切話してはならない」と箝口令(かんこうれい)を敷いたと説明した。
実行役らは事件後に組織内で昇格し、組員から集めた工藤会の運営費から現金を受け取っていたことも明かした。
他の3事件は、野村被告と意を…
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Source : 社会 – 朝日新聞デジタル